クンストハウス・グラーツ
グラーツ ニュース 2005-06-14
オーストリアのグラーツ(GRAZ)で二つの展覧会が開催中です。
グラーツはオーストリア第2の都市でありながら、日本ではあまり知られておらず、旅行ガイドにもほとんど載っていません。しかしその旧市街は世界遺産に指定されており、東欧的な雰囲気のある美しい街です。そしてその古い街並みの中に2年前、突如奇異な形をした美術館が産まれ、その活動と共に街全体が注目され始めました。
まずは、グラーツの街とクンストハウスについて、そしてエディション・ワークスの企画作家二人が参加する日本の現代美術展
「日本の知覚」展ご案内します。







     
古い都市の中で異形を見せるクンストハウス
グラーツはウィーンから南に向かって特急列車 EC で2時間半ほど、豊かな緑に包まれたシュタイヤマルク地方の中心都市です。世界遺産に指定されたその歴史ある街を現代美術の発信地にしようと、2003年、Peter Cook 氏の設計によるクンストハウス・グラーツが Peter Pakesch 氏を館長に迎え、スタートしました。ルネッサンス期の様式の中に、東欧的な雰囲気のある古い街並みとこの生物的な建築物とのアンバランスに賛否が分かれることでしょうが、グラーツがこの未来的で精力的な美術館と共に活気を帯びつつあることは確かなようです。
今回開催されている「日本の知覚」展("Chikaku" Time and Memory in Japan") は、伊藤俊治氏のキュレーションにより、海外に受け止められている日本の画一的なイメージから脱却し、欧米にはない、日本独特な自然や時間を含み混んだ事物のとらえ方が現代美術の中でどのように展開されているかを紹介するものです。〔主催:国際交流基金、クンストハウス・グラーツ、カメラ・オーストリア)
そこに取り上げられた作家は、伊藤高志、岡本太郎、小谷元彦、オノ・ヨーコ、笠原恵実子、川俣正、草間彌生、杉本博司、須田悦弘、曽根裕、トゥリン・T・ミンハ、中平卓馬、中村哲也、日高理恵子、藤幡正樹、森山大道、森脇裕之、やなぎみわ、山田正亮、渡辺誠
展示会場デザイン:渡辺誠
また、この展覧会に向けて美術館の外壁の照明装置を利用した映像作品の日本でコンペが行われ、大賞の瀧健太郎ら10人の作品を夜間見ることが出来ます。(上の写真、左下端)
須田悦弘 Rose 中村哲也 Premium Unit Bath 他
やなぎみわ Girls in her Sand 森脇裕之 Lake Awarereness 2005
そしてエディション・ワークスの企画作家二人の展示については、それぞれ以下のページをごらん下さい。
笠原恵実子
"Offering"展


グラーツ民俗学博物館
Volkskundemuseum Graz
笠原恵実子
"Offering"

デジタルプリント17作品
笠原恵実子
"La Charme #3 2004 (Graz Version)"


「日本の知覚」展
クンストハウス・グラーツ
Kunsthaus Graz
日高理恵子
「空との距離」「樹の空間から」


「日本の知覚」展
クンストハウス・グラーツ
Kunsthaus Graz