Offering
Collection / Colligation / Colony
2005

笠原恵実子

"Offering"展 グラーツ・民俗学博物館
「Offering」とは賽銭、寄付、寄進、喜捨のことです。イタリアの有名な教会で笠原がふと目にした美しいオブジェ、それに近づいてみるとそれが Offering Box つまり賽銭箱であったことに驚いたことがこのプロジェクトの始まりでした。
教会に入るごとにその Offering Box を観察し始め、ついには、世界中の教会を巡り、賽銭箱の写真を撮り続けることとなりました。
他者のために私財を投げ出すという行為が隣人への愛によることはいうまでもないことですが、それが個人レベルではなく、教会という空間で行われるということは、その行為の対価として、死後の平安や天国への切符、あるいはこれから先の人生の幸福に何らかの保証を求める行為でもあることも、人間の普遍的な心情として当然のことでしょう。
その個人的な行為を受け止める小さな装置として、 Offering Box は史上最大の宗教と共に、二千年の歴史を持って世界中に広がっています。その姿は彫刻を施した立派な石や金属の箱から、ジュークボックスのようなもの、あるいは箱ではなく壁に開けられた小さな穴や、袋やかごなど、カトリック、プロテスタント、東方教会の区別に始まり、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカと、その気候風土、文化、風習、習慣によって、その素材やデザインは様々です。そしてそれは時に性的な連想をさせる形であったりもします。
「Offering」をキーワードに笠原恵実子が世界中の教会を回り、写真に納めて歩く行為がこのプロジェクトです。

今回制作したデジタルプリント作品は、"Collection" シリーズ7作品、"Colligation" シリーズ4作品、"Colony" シリーズ6作品です。

"Collection" シリーズ 「Offering」の道具が box(箱)、torso(半身像-ここでは大型のポスト状のもの)、 slit(切れ込み)、basket(かご)、plate (皿)に分類され、一覧形式で各シートに25点の写真が納められています。
"Colligation" シリーズ 「Offering」の道具が それのある教会の情景と共に撮影されているシリーズです。
"Colony" シリーズ 「Offering」の道具が そこにいる人々と共に撮影されているシリーズです。
Collection シリーズ
Collection #1 Collection #2
Collection #3 Collection #4
Collection #5 Collection #6
Collection #1 - #7

技法:デジタルプリント
用紙:i-フォトかきた
シートサイズ:1195x980mm

エディション:5
Collection #7
Colligation シリーズ
Colligation #1 Colligation #3
Colligation #2 Colligation #4
Colligation #1 , #2

技法:デジタルプリント
用紙:i-フォトかきた
イメージサイズ:660x495mm
シートサイズ :680x515mm

エディション:8
Colligation #3 , #4

技法:デジタルプリント
用紙:i-フォトかきた
イメージサイズ:560x760mm
シートサイズ :620x820mm

エディション:8
Colony シリーズ
Colony #1 Colony #2 Colony #3
Colony #4 Colony #5 Colony #6
Colony #1 - #6

技法:デジタルプリント
用紙:i-フォトかきた
イメージサイズ:428x316mm
シートサイズ :448x336mm

エディション:8