|
青木野枝 Noe Aoki |
|
1月7日、ギャラリー・ハシモト(東京/東日本橋)での個展 ー流れ、落ち続けるー が始まりました。
鉄による大型の彫刻作品を中心とした展示で、新作銅版画シリーズ『玉曇(たまぐもり)』もご覧いただけます。
この銅版画シリーズは、特に銅の板(版)そのものの質感を大事にし、長時間かけて深く腐食させた「ディープ・エッチング」という技法を中心に制作されています。今までの青木の版画にあった絵画性とは異なり、空間よりも物質感が強く前に出た作品となっています。それは今回の彫刻作品と通底する変化と言えます。銅版画は1メートル近い画面の大型作品を含め、7作品を制作する予定で現在も制作進行中です。ギャラリー・ハシモトではその中から完成した3作品が発表・展示されています。
また、青木は今までにも写真を媒体にした作品も発表しており、今回は昨年末にカナダの極寒の地で撮影された写真から一点、新しい試みとしてリトグラフも制作され、展示されています。そちらも合わせてご覧ください。
展覧会期は1月29日までで、その後銅版画シリーズ『玉曇(たまぐもり)』は作品数を増やしながら、アートゾーン神楽岡(京都)、Mizuho Oshiro ギャラリー(鹿児島)などでの展示が予定されています。
●『青木野枝 -流れ、落ち続ける-』
場所 ギャラリー・ハシモト 中央区東日本橋3-5-5 矢部ビル / tel 03-5641-6440
会期 2011.1.7(金)〜1.29(土) 休廊 日、月、祝日 |
|
|
|
|
|
|
展示風景 |
|
|
|
青木野枝の新作銅版画3作品
『玉曇(たまぐもり)』より |
|
|
|
|
|
|
玉曇 2
ディープエッチ、スピットバイト 2版2色
|
玉曇 3
ディープエッチ、アクアチント 2版2色 |
玉曇 1
ディープエッチ 2版2色 |
エディション : 20 A.P.:4 P.P. : 1 B.A.T : 1 H.C. : 1
イメージサイズ : 330x330mm シートサイズ : 560x500mm
用紙:アルシュ水彩紙 640g
価格(各) シート:¥52,500.額装:¥67,500
尚、このサイズの作品は5作品全部が完成した時点で、エディションナンバー11〜15がセットとして組まれる予定です。
現在は上記3作品の販売のみです。
|
|
|
|
金田実生 Mio Kaneda |
|
エディション・ワークスの新企画作家、金田実生の銅版画シリーズを制作中です。
金田は国立新美術館で2年前に開かれた 『アーティスト・ファイル 2009ー現代の作家たち』 にて大規模に展示され、改めて注目されている油彩画家です。
今回の銅版画作品は「呼吸」をテーマに、スピットバイトという、筆に腐食液をつけて直接銅版の上に描く技法で制作しています。何度も描いては削り磨かれる中から、深く柔らかなトーンが生まれ、静かな「息づかい」を描き出しています。
5作品を制作する予定で、完成は春以降となる予定です。
現在決まっているギャラリーでの展示は、しばらく先になりますがギャラリー風(大阪/北浜)で6月に予定されています。
また、それまでにも制作の過程や、作家についてホームページでご紹介して行く予定です。 |
|
山口藍 Ai Yamaguchi |
エッチング集『*(よろこび)』を制作中です。
今年一年間の四季を通し、季節毎にそれぞれの季節に合わせたテーマで2作品、合計8作品を発表して行く予定です。現在は"春"の作品を制作中で、山口藍の世界が、小さく、非常に細密でデリケートなエッチングの中に閉じ込められています。 |
「(よろこび)」
-限りなき きみがためにと おる花は 時しもわかぬ 物にぞありける-
めでたく限りないあなたのためにと思って折って差上げる花は、もしそんな花があるとするなら、季節などを限らずにいつも咲く花こそふさわしいのです。
〈出典:古今和歌集 (新 日本古典文学大系)
校注:小島 憲之, 新井 栄蔵 出版:岩波書店〉
このエッチングのシリーズは四季の草花と各季節のよろこびをテーマにしています。
それぞれ四季を代表する花ではあるけれど、デフォルメしてどこか非現実的な存在に見えるよう描いています。この歌にもあるように、草花がこの世に存在しない想像のものとも捉えられるように、と考えているからです。
例えば「源氏物語」では、源氏が鋭い感覚の持ち主であり、人によっては源氏からオーラを感じるように描かれています。
それでもし人に共感覚やオーラというものがあるのならば、私の描く女の子にもあって、それが見えている人がいるのかもしれない、と想像しました。
そこに草花が存在しなくとも、その子から発せられる力が草花を形作っている。今回のシリーズでは、そのオーラのようなものを私が受け止め、目に見える形で描いています。
この版画がエッチングという普段のキャンバス作品とはまた違う素材や描画法であることや、単色であることは、私が描いたイメージのさらに上に鑑賞者の想いをのせられる余白があるように思っています。 (文:山口藍)
|
|
作品発表については AKI Gallery(台湾/台北)が予定されており、それ以外の日本での発表予定は、その都度このサイト等にてご案内いたします。
山口藍の初めての作品集『ほがらほがら』が発売中です。
作品集は数年にわたって準備されてきたもので、表紙図案は2006年制作の銅版画『とくるかみのひまごとに』と同じテーマで描かれています。限定280部の特装本にはエディション・ワークスで制作を担当した木版画が差し入れられています。詳しくは特集ページをご覧ください。
|
|
*上記文中でタイトルが正しく表示されないかもしれません。
「喜」の別書体で、七を三つ重ねる文字です。 |
|
|
『ほがらほがら』(通常版) |
|
|
|
|
|
|
|
日高理恵子 Rieko Hidaka |
|
京都東山のgallery 16にて日高理恵子の個展『見ること』が始まりました。これまでほとんど展示機会のなかったドローイング作品を一同に展示しています。日高理恵子独自の「見上げる」とは別の、また新たな作家の視点を垣間見れそうです。
また、同じく京都の大山崎山荘美術館にて、映像作家さわひらきとの展覧会『山荘美学』が開催中です。
さわひらきの映像は本館(昭和初期建造の洋館に)、日高理恵子の作品は安藤忠雄設計の新館に展示予定です。新館のコンクリートの凜とした空間に、幹や枝葉の影が広がる日高の作品が映えています。
●日高理恵子『見ること』
gallery 16 京都市東山区三条白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3F / TEL 075-751-9238
会期 2011年1月11日(火)〜2月4日(金) 月曜休廊
●『山荘美学 -日高理恵子とさわひらき-』
アサヒビール大山崎山荘美術館 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字銭原5-3 / TEL 075-957-3123
会期 2010年12月15日(水)〜2011年3月13日(日)月曜休館
|
日高理恵子の銅版画『樹の空間から』 |
|
|
|
津上みゆき Miyuki Tsugami |
|
|
|
エディション・ワークス制作の津上みゆきの木版画『View-endless knot,09』の一作が本の装丁に使用されました。
映画化もされた『食堂かたつむり』の小川糸著の旅エッセーです。
自然を重視した素材や、心をこめた作業・調理から生まれるおいしい食べ物の世界と、シンプルに見えてとても手のかかっている、柔らかな風合いの木版画がとてもマッチしています。是非書店で手に取ってみて下さい。
●『ようこそ、ちきゅう食堂へ』
小川糸著 幻冬舎/2010 |
津上みゆきの木版画『View-endless knot,09』 |
|
|
|
|
辰野登恵子 Toeko Tatsuno |
|
辰野登恵子の5年ぶりとなる新作展が銀座のBLDギャラリーにて開催されました。しっかりとした展示空間には大作を多く含む油彩画が広がります。それらの作品には、様々な色が幾重にも重なりあい、平面で構成されているかのような画面の中に、作家独特の心地よい奥行きと色彩が感じられます。以前から用いられてきた形態や色彩も見え隠れしつつ、この5年間の間に変化してきた作家の新しく、瑞々しい視線が魅力的でした。
●『辰野登恵子 新作展』
BLD GALLERYビーエルディーギャラリー 東京都中央区銀座2丁目4番9号 SPP 銀座ビル8F / TEL 03(5524)3903
|
|
|
|
|
|
展示風景 |
|
|
|
|
|
赤塚祐二 Yuji Akatsuka |
|
赤塚祐二の新作展が銀座コバヤシ画廊にて開催されました。
本展ではこれまで抽象と具象の両面を渾然と見せていた作家の視点に、より風景や人物といったイメージ、具象と空間や時間が強く表れています。その変化はこれまでの枠を外れ、ハッキリとした方向を打ち出した強さがあります。
また、床に接するがごとく極端に低く配置された展示は、それぞれの作品を緊密に結びつけ、その世界の強さをより引き出しています。
●『赤塚祐二展』
コバヤシ画廊 〒104−0061 東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1 / TEL 03-3561-0515
|
|
|
|
|
|
|
|
ニュース・バックナンバー |
|
これからのホームページ作成や、工房全体の運営方針にも反映させて行きたいと思いますので、ご覧いただいたご感想をお寄せいただければ幸いです。
エディション・ワークス 加山智章 |