東京、青山のプロモ・アルテ ギャラリーにて「阿波紙と版表現展 2009」-プリント工房から- が開催(2月5日〜10日)されており、昨年から制作していた津上みゆきの木版・銅版作品が発表されました。津上の版画作品はエディション・ワークスの企画作品であると同時に、制作に当たっての和紙のご提供いただき、このグループ展を開かれたアワガミファクトリー(徳島、阿波和紙の組合)の企画でもあります。
アワガミファクトリーは数年にわたって和紙と版画のコラボレーション企画を続けてきました。今回の展示は、昨年フランスで開かれたパリの4工房と12名の作家による制作・展示の巡回に加え、日本の工房としてエディション・ワークスと板津リトグラフ版画工房が阿波の和紙を使って版画を制作し、展示しました。
オープニングには多くの人が訪れ、和紙と版画との関係を楽しんでいました。
津上の作品は木版画中心で、4作品の連作木版「View-endless knot,09」と、大作の木版・エッチング併用作品「View-fragments of Spring, 06-09」の柔らかく、カラフルな画面が目を引きます。「View-endless knot,09」は一つ一つ独立した作品でありつつ、4つのつながった風景でもあり、四季のつながりでもあります。
そして小さな銅版画「View-fragments of scenery, 09」の5作品は普段のペインティングとは違った、線を中心とした表現が津上の新たな面を見せ、空気や時間を包む風景が展開します。
今回のグループ展は2月10日までですが、是非阿波紙を使った、他の作家による作品とともにお楽しみ下さい。
その後3月には倉敷の美観地区にある工房IKUKOで開かれる個展で、そして4月には東京・東日本橋のギャラリー・ハシモトで開かれる版画展にてもご覧いただけます。
また、津上は3月4日から国立新美術館で開かれる「アーティストファイル 2009 -現代の作家たち」に参加し、ペインティングを展示します。アーティストファイルは第2回展で、国立新美術館の学芸スタッフが日頃から注目している作家を取り上げて、それぞれ個展形式で紹介する展覧会です。9作家による展示は平面、立体、映像、インスタレーションと多岐にわたります。そちらも合わせてご覧下さい。
プロモ・アルテ ギャラリー 東京都渋谷区神宮前5-51-3 GALERIA Bldg. 2F TEL : 03-3400-1995
工房 IKUKO 岡山県倉敷市中央1-12-9 TEL : 086-427-0067
ギャラリー・ハシモト 東京都中央区東日本橋3-5-5 矢部ビル2F 03-5641-6440
国立新美術館 東京都港区六本木7-22-2 TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
|
版画作品の詳細はこちらをご覧下さい。 |
工房にて校正刷りを比較検討する |
|