笠原恵実子は現在ニューヨークのジャパン・ソサイエティー〈Japan Society〉で開かれている 「Making a Home : Japanese Contemporary Artists in New York」 というグループ展に参加しています。これはニューヨークを活動の拠点とする33人の現代美術家によるグループ展です。日本人アーティストは1950年代からニューヨークに住み始め、アメリカの現代美術の影響を大きく受けながら同時に日本人独自の美意識やスタイルを持ち込み、堅持してきました。これらの作家の活動を歴史的に展観することが出来る大規模な展覧会です。この数十年ニューヨークで活動する作家33人のひとりとして選ばれた笠原は新作インスタレーション「SHEER」を発表しています。
肌色のストッキングで覆われた身体的空間の中にはいると、壁面は乳房の形状で埋め尽くされており、様々な言語で話す人々の小さな声が壁のあちこちから聞こえてきます。これらはそれぞれが自身の「喪失」について語ったもので、作家が5年にわたって世界中で集めました。音を初めて用いたこの作品は今後も形状を変えながらシリーズとして展開します。1月13日までの開催で、終了間近ですがニューヨークへおいでの方は是非ご覧下さい。
展覧会の概略はこちらでご覧いただけます。